私にとっては、サドルと言えば藤田。長年、藤田のサドルを愛用してきた。
10年ほど前までは、ブルックスのサドルが7,8千円で買えたのだが、革の質を見ると圧倒的に藤田のサドルが優っていた。
ここ数年でモノを処分して以来、所有物の中からレザー製のモノが圧倒的に減った。手元に残ったのは数足のブーツとベルトぐらいであろうか。レザーというものはイデオロギーのようなもので、払拭するのが難しい。パンクロックも今だに革ジャンだし、バイクに乗るのも今だに革ジャンである。自転車も同様であり、自分の中ではクロモリの自転車には革サドルという固定概念があった。
実際に”クロモリバイクに合うサドル”を探して見ると、革サドル以外に見つけるのが難しい。
輪行用の自転車にプラサドルを使用しているものの、現行でツーリング用途も兼ねるモノが無い。
さらに個人的には固めのサドルが好みであるため、レザー以外のものとなるとほぼ選択肢がないのである。
そこで、昨年末に販売されて以来気になっていたC17 オールウェザーを購入してみた。
今回購入したのは、これまで8年ほど使用したフジタのサドルと近い、というよりはこのフジタのサドルのモデルとなっているB17のアップデート版というべきモノだ。
スチール製のレールに、硬化天然ゴムのボディにナイロン素材を表面に使用した防水仕様のサドルとの商品説明がある。
レールはスチールむき出しではなく、ブラックでパウダーコーティングのように処理されている。
重量は革サドルを使用してきた身としては全く気にならない。
乗り心地は革サドルとプラサドルの間というべきか。穴あきのプラサドルよりクッション性がある。そして、一枚革の革サドルに比べてもライディング中の振動や衝撃の吸収性も非常に高く感じる。もちろん革サドル特有の”Break-in”期間も不要である。そして何より、美的要素も悪くない。革サドルの要素を踏襲したフォルムやリベットの使用がクロモリバイクと相性が良いように思われる。なんとなくワックストコットンのジャケットからeVentファブリックのジャケットに進化したとまで言うのは言い過ぎであろうか。問題は年間を通しての使用に耐えうるのか、商品寿命がどれぐらいかという点である。この点についてはこれから一年、天候問わずに使ってみての判断となる。しかし、サドルレールのみの交換が可能であるため、他のサドル類に比べると使い勝手は良さそうである。個人的には全くマイナスの要素がなく、むしろ今後においてのスタンダードなモデルになるのではないかと思われる。
まずはcolor the rivets。
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