マドラスコットン地のブレザーJKT, B.D.シャツ、501デニム、NBのスニーカーにニットタイ。
それぞれ何かの機会に父親にプレゼントしたものだ。これらのモノで父親の遺体を覆った。
ただ寝ているだけのようにも見える。母親と妹が写真を撮りたがったが、僕はそれを制した。
後はとにかく可燃の愛用品を可能な限り棺に詰めた。
もちろん、後に待ち受けるモノの処分を見越してだ。
引越しが多かったので少ない方だとは思うが、人が六十数年生きると相応な量のモノが残る。
衣類や再利用できそうなモノはクルマを借りてリサイクルショップに運んだ。
書物に関しては、あまりの冊数のため古書店の方に来てもらい処分。
アルコール類は弔問に訪れた学生時代の友人の方々に貰っていただいた。
その他、思いも寄らないモノが出てくる。
本人にしてみれば、突然人生が終わってしまったので無理もない。
そして祖母が亡くなり、もはや母親の生前整理となった。
ピアノの処分。
80年代後半のヤマハ製のアップライトピアノだ。
音大出身の知人に尋ねたところ、まずはヤマハに問い合わせた方が良いとのこと。
すると買取金額は10万円弱。
そして、買取査定額の見積りサイトを利用したところ、9万から20万円弱まで。
型番と年式をGoogleしてみると30万半ばで販売されている。仕入れ値としては10万円が目安であろう。
合意した金額を前入金、搬出等の経費込みという条件の業者に引き取ってもらった。
業者によっては不要な電話がかかってくるので気をつけた方が良い。
そして着物だ。着物専門買取という業者に来てもらい査定をお願いした。
しかし、買取に来た2社とも普通のリサイクル業者の従業員であった。
着物の査定を終えると、両者ともに、恐らくマニュアル通りに貴金属と切手を訊いてきた。
結局、2社とも断って着物リサイクル店に持ち込んだ。
染め直し等の加工であったり何か出来るのではないかと思い呉服店に引取りを訊いてみたが断られた。
ルイヴィトンやゴヤールのバッグのようには需要が無いのだからそういう判断となるのだろう。
モノが良いのに、不要。そして需要がない。こういったモノの処分が一番困るのである。
今回で言えば、桐箪笥や黒檀の家具類。
桐箪笥に関しては祖母が削り直しをして大切に使用していたので尚更だ。
できるだけ、次のユーザーを探す方向で進めようと思う。
思いも寄らないモノが出てきた。
立体裁断。
Is life just a lonely highway?