今年はメジャーなコンサートを2回観た。
ひとつはGNR。その昔、友人の兄の部屋に忍び込み、CDのアルバムジャケットで選んでかけたAppetite。
そして、今でも初めてBrownstoneを聴いた瞬間を思い出すことができる。
そしてBABYMETAL。おそらく世界で一番有名な日本人であろう。日本語を母国としない人達を日本語の歌で惹きつける何か。本当に素晴らしい。
さて、ここ数年問題となっているのがコンサートチケットの転売問題である。
正規販売価格と乖離した価格で流通されている点が問題となっているようである。正規販売価格とは興行主が必要コストに最低限必要な利益を加えて設定した値段である。こう考えると良心的とも取れるし、もっと低く設定できるのではないかと思う方もいるであろう。つまり、あるイベントに参加して得る事柄に対しての貨幣価値が各個人によって異なるということである。さらに言えば、ファン層によっては収入源が異なるため、例えば就学中のファン等にとってはアタマを悩ませる問題かもしれない。
しかしモノの流通というものを考えてみると、転売行為というのは商売の基本でもある。
メーカー側であれば、資本コスト、製造コストに付加価値(この部分が利益)を加えた価格で販売する。
流通業であれば、売上原価、販売管理費に付加価値を加えた価格で販売する。
要するに仕入れコストに利益を上乗せした価格で販売するということ。しかし、商品需要がなければ売上が立たない。
なぜコンサートチケットの転売がダメなのか。そして、なぜ金券ショップは良いのか。業者としての届出認可の問題なのであろうか。
最近は情報格差も少なくなってきたので、転売サイトを覗くと(金券ショップも含めて)おおよその価格で均衡しているように見受けられる。
別の問題としては、ある一部の人達がチケットを買い占めてしまい本来コンサートに参加すべき人が参加できないという点である。
そして、転売時に希少価値が付加価値として上乗せされた利益が主催者側に入らないという点である。
そこで、まずはチケットの価格がつり上がった分の利益が興行主に入るような正規のマーケットを設けてはどうだろうか。現在ある正規販売点が流通市場を設ければ良い。違法な価格の吊り上げには値幅制限を設ければ良い。例えば一枚1000円のチケットは1日の上下幅は300円、10.000円の場合は3,000円まで等、価格に応じてである。10,000円のチケットの場合、初日の取引はは7,000円から13,000円までの価格でしか売買ができないという仕組みである。売買手数料で市場側と興行主に利益が入るようにすれば良い。
そして買い占めの問題。最近は業者がプログラムを組んでチケットを買い占める動きがある。 まさにHFTである。とここまで書いて、お気づきかと思うがマネーを融通するためのマーケットと重なるのである。証券であったり、何かの権利であったりを売買することによってできるだけ多くの立場の人達が利益を得るように考え出された仕組みである。
そこで思うのが、転売ダメ、絶対! ではなく、受益者を増やす方向で考えてみるのも良いのではないか。
規制すべき対象は一般販売ルート以外で入手可能な立場、つまりインサイドにいる者達である。これらの者達の手に渡ったチケットは当日まで履歴が追えるように管理が必要である。イベントが中止になるといった風説を流布する者も現れるかもしれない。
こう考えてみると、株式の売買などは不自然に思えてくる。1日で業績が変わる事など、滅多に無いにもかかわらず毎日時価総額が変動するのだ。そして、そこには市場参加者がいるのである。供給がなければ、買うことができない。需要がなければ売ることができない。いかがなものか。